エンゲージリングと前世

エンゲージリングを買ってくれるつもりなのか、と最近そう思います。彼とはつき合い出して5年。思えば不思議な縁です。あるスピリチュアル関係の集まりで知り合ったとき、私は彼に親しみと、どこか割り切れない憎しみを憶えました。その理由が今分かって来たのです。何度か前世療法を受けた中で、ある記憶がよみがえって来ました。これが前世の記憶なのかどうか、そんなことを突っ込まれても答えようがありません。でもこれは確かに、私の記憶なのです。

エンゲージリングを交わすような状況ではなかったと思います。乾いた、やせた土地で、私たちはかつて一度結婚しました。日本ではありません。その結婚生活は幸福ではなく、最後に彼は他の女の人へ走って行きました。赤茶けた荒野の中で、風に吹かれながら彼の帰りを待っている、そんな記憶がしっかりとあるのです。彼と出会ったときから思っていたどこか割り切れない憎しみは、過去に夫婦となりながら捨てられた記憶によるものでした。こうした記憶のことを馬鹿にする人がいるかもしれません。でもひとつ物証はあるのです。

エンゲージリングを、2度しか会ったことのない人にもらったことがあります。その人と初めてスピリチュアル関係の会合で会ったとき、思わず2人で「過去に出会ったことがありますよね」と言いました。そこからお互いにいくつかのことを思い出し、前世の昔話に花が咲いたのです。そのときの話では、お互いに夫婦だったと思っていました。しかしその後私はその男の本性を思い出したのです。その男は前世で私を騙して翻弄していた先生でした。

エンゲージリングをその男からいきなり渡されたのは翌週です。彼は今生でもうまくやろうということでそれを渡して来たのですが、私にそのつもりはありません。私が今生ではおつき合いする意思がないことをハッキリ言って断ると、男はこれっきり会わなくてもいいから、これだけはもらってくれと言いました。

エンゲージリングを結局私はもらいました。前世でされたひどいことに対する慰謝料として。男の方でももしかしたらそういうつもりがあったのかもしれません。そんなこともあり、つき合っている彼がいずれエンゲージリングを送って来るだろうということに対して、いろいろ複雑な思いがあります。