エンゲージリングのサイズは難しい

エンゲージリングのサイズを決定するためのうまい方法を考えつかないまま、私はとりあえず一度宝石店を訪ね、そこでいろいろと指輪のサイズの話を聞きました。ある調べによると、結婚適齢期の女性の薬指は平均して8.5号、指輪の内周で考えると48.7mmだそうです。そのため、9号を用意しておけば、たいていの人の指には入るだろうと言えます。しかし人間のコンディションは一日を通して汗をかいたり水分量が豊富に取り込まれたりして変わり、その度に指のサイズも微妙に変わります。握力を使う仕事をした後は若干太くなったりします。また関節が太い人もいるし、その人に最適な指輪サイズは、条件を変えて何度か指サイズを測らなければわからないというのが常識だそうです。

「エンゲージリングを渡してプロポーズというのは無理なのでしょうか。」 私はそう聞いてみました。「パートナーがお使いの他の指輪のサイズが分かればなんとかなるのですが。」「他の指にしていたのでも分かりますか?」「そうですね。せめて人差し指か中指にしているサイズが分かれば、経験的に類推することはできます。ただエンゲージリングの場合には…」 店員の人はちょっと口ごもった後に、こんな話をしてくれました。

エンゲージリングは結婚するまで始終はめている人が多いそうです。指輪には普段から指にはめるものと、ここぞという時だけにはめるものがあります。後者の、たまにしかはめない指輪ならサイズもシビアにならず、他の指サイズからの推理で割り出したサイズでも問題はないでしょう。しかしエンゲージリングのように長い間はめっぱなしの場合には、そうしたサイズの出し方では危険があるというのです。

「エンゲージリングを買ってから、後でサイズ調整はできないのですか?」 私はそう聞いてみました。その答えは確かにできるけれど、リングのプロポーションが乱れるから、あまりやりたくはないとのことです。

エンゲージリングを渡してプロポーズなんて、映画の世界だけの話なんですかね。」と私が言うと、店員はこう言いました。「日頃から複数の女性に指輪を贈り慣れている方なら、そういう話もあり得るのですが。でもこうしてみたらいかがでしょう。リングに付けていないカット済みの石だけを買っていただくのです。」